南青山骨董通りのカイロプラクティックVOICE OF SPINEのブログ

ボトックス注射による顔の麻痺
外山です。
今日はボトックス注射によって顔の麻痺が生じてしまった方の症例です。

定期的にいらっしゃっている方から、ボトックス注射という美容施術によって顔の表情筋が麻痺してしまったと相談されました。
ボトックス注射とは、ボツリヌス菌の毒素を薄めたものを注射し、その部位の筋肉を萎縮させてしわをなくしたり、小顔にする美容外科による施術だそうです。
筋肉の神経伝達部でのつながりを遮断することで効果を表すことから、斜頚や筋肉の痙攣などにも使われているようです。

この方は顎の筋肉に注射することで顎を細くする目的で行ったそうで、以前にも2、3回施術を受け、その時は満足いく結果を得られたのだそうですが、今回は目的の筋肉以外の表情筋が麻痺してしまい、口角がまったく上がらず逆に下方に引きつってしまう状態でした。それによって頚や頭、肩の筋肉まで異常に張ってしまい大変つらい様子でした。麻痺自体は半年すれば消えると説明を受けたそうです。

心当たりのある治療法として、このような麻痺に効果がある場合とあまりない場合があるという前提で処置を行った結果、麻痺自体は当然残るものの、即座に口角が上げることが出来るようになり、表情がでるように。まさか麻痺が改善するとは思っていなかったとのことで、顔も頭も大変軽くなったと大変喜んでいらっしゃいました。


それにしても、医師の行うこととはいえ、筋肉を麻痺させてしわを消したり顔を細くするなど、本当に大丈夫なのでしょうか?本来あるべき筋肉を萎縮させることによって何か弊害が生じることはないのでしょうか。私達機能を大切にするカイロプラクターとしては、健康に弊害がないとは思えないのですが・・・。

カイロ神経学のDr.キャリックは脳の生存条件として、「栄養」と「刺激」の2つを上げています。つまり、この2つがなければ私達の脳は正しく働くことが出来ないのです。「栄養」とは酸素や栄養素、「刺激」は脳に入ってくる視覚や聴覚、においなどありとあらゆる刺激です。その刺激の中でも最も重要なのは、筋肉や関節などの重力を受けてその情報を脳に伝える感覚だといいます。視覚は目をつぶれば遮断されますし、聴覚は耳をふさげば遮断されます。しかし、重力を受け止める筋肉や関節の感覚は、宇宙などの無重力空間にでも行かない限り、常に脳に伝わっているのです。そのため、脳にとっては最も重要な刺激の源なのです。

では、この生存条件である刺激が来なくなったら神経はどうなってしまうのでしょうか。答えは簡単です。「細胞死」です。神経は刺激が来なくなると一時的に刺激を求めて過敏な状態になり、やがて、燃え尽きて死んでしまうのです。これをTrans Neural Degeneration(TND)といいますが、顎の筋肉などは中脳など脳幹との連絡が密ですから、なおのこと重要であるはずです。それを人工的に萎縮などさせていいとはとても思えないのです。もちろん直接命に関わることはないにしても、健康を害する可能性は大いにあるように思います。実際この患者さんもボトックス注射の後は異常な肩や頚、頭の張りやこり、湿疹、胃腸の調子を崩したりとかなり体調に影響がでていらっしゃいました。(もちろん、顔の麻痺による精神的ストレスも影響しているかもしれませんが)

後日ボトックスの施術をした医師の診察を受けたところ、通常麻痺は最初の2ヶ月は悪化し、その後の2ヶ月で回復してくるとのことで、注射直後にもかかわらずあまりに患者さんの筋肉が動くので驚かれていたそうです。「ボトックス注射があまり効いていないから(今回はこのような状態になったので行わないが)本来ならもう一度注射をするところだ」とまで言われたそうです・・・。

美容医療を否定するつもりはありませんが、もっと身体に優しい方向での技術の発展を願ってやみません。



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Posted by : 外山誉人 B.App.Sc.,B.C.Sc. ICAK認定アプライドキネシオロジスト | 顎、顔、頭蓋骨の障害 | 17:09 | comments(0) | trackbacks(0)
あごの痛み
外山です。
今日は顎の問題の方の症例をご紹介します。

40代の女性の方です。
20年ほど前から顎の痛みが出て、15年ほど前に歯科で診察を受けて、顎関節症との診断を受けたとのこと。
レントゲンで見ると、関節の変形も存在していたとのことで、子供の頃に行った歯列矯正が合ってなかったのではないかとの指摘を受けたとのことでした。
現在は痛み自体はないものの、口が開きにくく、また物を噛む力も弱く、食事もきちんと噛まずに食べることがあるとのこと。
胃もたれのような症状がしょっちゅうあり、きちんと噛まないことと関連があると思われました。
食べ物をきちんと唾液で湿るように噛むことは、胃での消化を効率よく行うための大変重要な要素です。

調べてみると、口の開きは指が縦に3本が入る程度とそれほど問題ではありませんでしたが、口を閉じる際に右への偏倚が見られました。
確かに顎関節自体に変形による損傷があるようでした。
ご本人によると、右の関節がギリギリ鳴る感じがあるとのこと。

ただし、顎関節症のように関節自体が傷んでいたとしても、筋肉の不均衡を整えることによって痛みの軽減がみられる場合が多く、また、筋肉の不均衡を整えておかなければ、関節を常に片減りさせるようなもので変形は進行しますし、それが痛みの神経を刺激して痛みを起こし、慢性的に炎症を起こすことになることもあります。
どんな場合でも、筋肉の不均衡を修正し、バランスを整えることが重要です。

この方の場合、顎を前に出す動きで異常が見つかり、それらの筋肉筋肉が硬くなっていたため、筋肉の張りを軽減するよう治療しました。
さらに顎の動きに関わる舌骨筋群、甲状軟骨の周囲の筋肉などに対してバランスを整えるように治療すると、口の開け閉めはスムーズになり、指も縦に4本入るようになりました。治療前にあったギリギリ鳴る感じもかなり軽減したとのこと。

顎の関節はとても重要な部位で、痛みや症状が存在しなくても、障害を受けている場合がありますし、顎の障害は神経の統合性に深く関わっています。

神経の統合性とは、からだが正確にコントロールされているかどうかということです。
例えば、人が歩く時のことを考えます。まず右脚を前に出します。この際、正常ならば、前に出すための筋肉は強くなり、後ろに引く筋肉は弱くならなければなりません。このようなコントロールが正確に行われているからこそ、人はスムーズに歩いたり動いたりすることが出来るわけです。
このような状態で運動や日常動作を繰り返せば、どこかに無理がかかり、いずれ症状を起こすことは容易に想像できます。
また、動きだけでなく、自律神経や内分泌、脳神経、すべての機能は神経(脳)とからだとの統合性によって保たれています。
この神経の統合性を乱す大きな原因のひとつとして、顎関節があるのです。顎関節は大変重要です。

顎の問題は、話す際、食べる際、口を動かすたびに大きな苦痛となります。顎の問題にお困りの方は、是非お気軽にご連絡ください。


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Posted by : 外山誉人 B.App.Sc.,B.C.Sc. ICAK認定アプライドキネシオロジスト | 顎、顔、頭蓋骨の障害 | 16:10 | comments(0) | trackbacks(0)
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